ガチャガチャ業界の異端児が
熱い心を呼び覚ます3冊
”作る人”の書棚 第3回
そんな古屋さんが、まず取り出したのは’11年の生誕100周年祭も記憶に新しい奇才・岡本太郎が、亡くなる3年前に書き残した魂の一冊。
「横尾さんは以前、お仕事でご一緒したことがあるのですが、太郎さんは働き始めたころに亡くなられたため、永遠の僕の憧れ。太郎さんの著作は、ほとんど読んでいますね。とりわけ、この『自分の中に毒を持て』には、生きる上で大切なことを教わりました」
「芸術は爆発だ!」と、芸術に対する世間の価値観・常識と真っ向から対峙した異能のアーティスト。昨年、上梓された『コップのフチ子のつくり方』(パルコ刊)に詳しいが、奇譚クラブもまた、業界の常識を次々と覆してきた。「太郎さんの言う“既成概念をブチ壊す”は、会社の根底に流れる考え方。でなきゃ、新しい価値観なんて生まれない。徹底してクオリティにこだわるので、凝れば凝るほど採算が…などなど難しいこともありますが(笑)、そこはブレずに挑戦し続けたいですね」
「社内社外問わず、おもしろいと思った企画は迷わず採用し実現させてきた」という、魅力的な会社。代表の熱意、人柄がうかがえる。
「『ビックリハウス』とか’70〜’80年代のサブカル雑誌が持つバカバカしさ、熱が大好きで、会社でも若い社員に見せています。その中に“ヘンタイよいこ新聞”という投稿コーナーがあって。そこのネタ(※オイシイものとはなにか? キモチイイものとはなにか? といったお題に答える)なんて、まさにウチの会議といっしょ(笑)」